やっぱいいや

4月27日 金曜日

朝は相変わらずゆっくり支度。
昨日はライブに行ったので、疲れた。というか滞在中は毎日ライブに出かけることになるのだが。

みゆきさんが朝飯を作ってくれた。
マッシュルーム&トマトを焼いてあとトーストに目玉焼き。
イングリッシュブレックファストだ〜おっとっと、違ったわ、スコティッシュブレックファスト。

一応今スコットランドにいるんだから、スコティッシュにしなくちゃぁね。

家主のローナンはホントにしゃべりずきの良いヤツだ。顔を合わせれば延々としゃべっている。
ちょっと変わり者の面白い人。彼のフラットはホントに豪華で、広く、きれい好きすぎるほどにきれい好きなので
めちゃくちゃキレイ。ちょっとでも汚そうものならさっさかアルコールで拭くくらいキレイ。
オマケにサテライトTVもついているので、滞在中ずっとMTV2を見せてもらうことに。
ビデオテープ買ってきて勝手に録画させてもらったりした。
昨日はTFCとかもやってて、感激〜っていうか見たことあるんだけど。突然やると嬉しいじゃんよ。

さて。グラスゴーまできた理由は今回3つある。
一つは昨日済ませた、コースの事務所への訪問。
もう一つは、もちろん、ティーンエイジのライブもある、TRIP TYCHという、グラスゴー、エジンバラ、アバディーン同時開催の
一種のフェスティバル。フェスティバルとゆっても、この金、土、日の週末に、各地域の小さな会場で
たくさんのイベントが開かれる、というものなんだけど。
その中の一つが、グラスゴーのTFCライブであったり、スティーヴンパステルDJのマウス・オン・マーズのライブであったり、
レディオ4とポップトーンズのクラブだったり(アバディーン)、他にもジャーヴィス・コッカーや、リー・ペリーが
開催するイベントがあったりと、とにかくいろんなところで様々な催しがあるようだ。

それから目的はもう一つ。
せっかくグラスゴーまで行くんなら、郊外のグーロックまで行ってみよう!と思っていた。
グーロックには、TFCファンサイトで仲良くなった、りみちゃんとかマサルくんにこの間送られてきた
ダイレクトメールで、”TFCのレコード&CDセール”の店?マーブルレコーズがある ”はず” なのである。
おまけにグーロックていうところは、海辺の街。海が見たいぞ!見たいゾ!というわけで…

グーロックへしゅっぱつ〜!

昨日グラスゴーに到着した駅と同じ、セントラルステーションから電車に乗る。
料金は、デイリターンで4.9£。グーロックまでは1時間弱でつくはずである。
途中に、ちょっと懐かしいホワイトアウトの出身地、グリーノックを通り抜けていく。
グリーノックは相当の田舎と聞いているから、一体どれほどの田舎の景色が見れるのか楽しみである。
こんな昆虫みたいなカワイイ(昆虫がカワイイのか?)電車に乗っていくのだ〜!

ある意味仮面ライダー風味

なんだか異常に駅と駅との感覚が狭いぞ?歩いていけるんじゃ…っていうくらい…
ナンなんだよ〜!

まあそんな感じで小田急線並みに(ローカル…)、ちんたらちんたら走る電車なので、
グーロックまでも1時間かかるはずである。距離的にはそんなに離れていないはずだもの。
グリーノックの手前くらいから、川が湾の様になってきて、低い山がたくさん見える車窓に変わってきた。
いやん、キレイ〜!こういう景色を求めていたのよ〜!ってば!!

車窓から眺めたグリーノックも、確かに相当何もない田舎であったが、着いた終点のグーロックはますます
田舎度の高い街であった。グラスゴーは確かに都会である。だけど…周りは…

駅を降りるとすぐに海が広がっていた。とりあえずは、メモってきたマーブルレコードのある住所まで!
おっと確かインフォメーションセンターがあったはずなのだが…駅前の駐車場の前の黄色い建物…
なんてねえよ!

天気が良ければ最高の景色

仕方がないから街の人に尋ねると、親切に近くまで連れて行ってくれた。
そこにあったものは…
青いペンキにぬりかえられた掘っ建て小屋であった。

しーん。

あれ?しかもしまっている…『クローズ』と書いてある札の字も時が流れすぎて
色が薄くなっている。なんでよ。どうすりゃいいのよ!
みゆきさんとあたしは仕方なく、駅の近くに唯一あった街の地図の看板を手書きでメモにうつし、
それを元にマーブルレコードのある(らしい)ビュート・ストリートまで向かうことにした。

せっかくだから海沿いの道を通っていこう!

アイ・ニード・ダイレクション!?

駅前の小さな商店街を通っていくと…
なんと”インフォメーション”と書かれた店のようなものがある。
どうやらインフォメーションセンターは掘っ建て小屋からこっちに引っ越してきたようだ。
中でフリーの地図など、いくつか情報をゲットして、一安心。
どうやらグーロックは夏にくるとよさげな街。
海に面したプールがあったり、海辺の街らしいイベントがあったりするみたいだ。

その商店街もあっという間に終わり、雨も降ってきた。
海沿いの道なので風も強く吹いている。寒い。きゃ〜ひどいわひどいわ〜こんなに景色がキレイなのに!
そして街には海だけでなく、坂も多い。それも急な坂。丘の中に家々が建っているような感じだ。
辺りを見回すと、なんとなく見覚えのある景色。
こ、これは…

『ねぇ、ちょっとここってもしかして、”アイ・ニード・ダイレクション”のロケ地じゃない?』

とアタシはみゆきさんに提案した。絶対そうだよ!
あの海沿いの階段は、ビデオクリップの中で降りてくるシーンの階段みたいだよ〜!
それにグラスゴー近くの海辺といえば、絶対グーロックだよ!!
きゃ〜!

と勝手に盛り上がるオレら。
ジミ〜な『ティーンエイジ・ファンクラブ隠れゆかりの地ツアー』でも組んでみたいものだ。
廻る所はビデオのロケ地、出身地、ライブハウス、など…
どうでもいい人には完全にどうでもいいツアー。どうでもいくない人があまりいないツアー…

参加人数はせいぜい10人だな。ひゅううぅぅ。

途中で迷いつつ、丘を登り息をきらしつつ、街の人の親切に触れつつ、目的のビュート・ストリートをようやく発見。
ええと。全然店がある雰囲気なしなんですけど?
もしかしてだまされた?それとも自分のコレクションうっちゃってる系?ただの家があったらどうしよう…

どうしようじゃない。
マーブルレコードは、ホントにただの家だった。

どしぇ〜!やられた!

せっかくこんな田舎までえんやこらときたのに〜!
やられたけど、あんまりにも面白すぎて、みゆきさんと二人して苦笑いしていると、その家の隣のおばちゃんが顔を覗かせた。

『あら〜どうしたの?』

とにこやかにおばちゃん。

『ええと…ここがビュート・ストリート○○番地ですよね?』
『そうよ〜。』
『いえ、レコード屋さんがあると思ってきたもんですから…』
『あら!隣の○○さんは、レコード屋さんよ!ノックしてみたらいないかしら?』

え。やっぱりレコード屋さん??
おばちゃん親切にいろいろ教えてくれて、一度家にひっこんだ。
うちらは勇気を出して、マーブルレコードらしい家にノックしてみるが…

留守のようだ。

するとまた隣のおばちゃんが外に出てきた。

『○○さんは、昼間は消防士をしてるのよ〜。あっちの方の消防署に勤めてるから行ってみたらどうかしら。』
『は…消防士…?』
『そうなのよ〜それでね、レコード屋さんは、メールオーダーだけでやっているみたいなのよ。』
『アハハ(笑)。そうだったんですか〜。あたしてっきり店があるものかと…』
『あらそうなの(笑)。メールがきたの?』
『ええ、友達とかが、メールうけとったっていうから。どんな店なのかなって思って』
『グーロックに住んでるの?』

アホか〜そんなわけあるまい!!
なんでこんな田舎街に外国人が住んでいるわけがあるか〜(笑)!

『いえ、グラスゴーに滞在してるんですよ〜』
『あら、それは残念ね…今日は○○さんお仕事みたいだし…でもね、よく大きな荷物が届いてるみたいよ』
『そうですか、じゃあ彼にメールしてみますね。どうもありがとう。』

と、とにかくそんな感じでその場は親切おばさんとの会話を終えた。
それにしてもよく人がきたことに気づいたな。もしかしてこんなやりとりをあのおばさん、というかおばあちゃん、よくしているのでは…?
おばあさんもヒマだし、人恋しいんだろう。

しかし…消防士…メールオーダー…。
”コレクションを売っているのではあるまいか?”
という冗談が的中してしまったようで大笑いであった。
大ウケしながらみゆきさんと、
『もしかして仕事休みだったら、部屋に入れてコレクションとりだしてお茶でもいれてくれて…語り入ったかもね…』

可能性大すぎてコワイ。

とりあえずマーブルレコードの怪は解けた。本当に実在するということがわかればそれでヨイ。

ビュート・ストリート近くののどかな田舎の風景

一仕事終えたうちらは、とりあえず駅の方まで戻ることにした。
さっきの隣のおばあちゃんが、近くにバス停があることを教えてくれたのでそこへ向かう。
きた道を戻るのは、ちと辛い。坂が急だし、ひーこら既に疲れていた。
それにしても景色はすばらしい!海が一望できて丘があって…心なしか空気も澄んでいるようだ。

バス停まで行くと、前に小店が数軒あったので、寒かったオレ達はお茶を買いに行った。
地元のケーキやさんといった感じのお店。
隣の店には”ランドリー&アンド・モア”という謎の看板が掲げてある。
”アンド・モア”って…一体何をやってくれんだ…?

頼んだ紅茶がなげえことでてこないので、おばちゃんにバスはどっちのバス停からでるのか、
何分おきにでるのかなどを聞きつつ待つ。15分おきね。よし。ホントだな。信じた。
やっと紅茶ができて、それを片手にあたしらはバス停へ向かった。
どうやらうちらは間違えて反対側のバス停で待っていたらしく、それをおばちゃん店の中から見ていたのか、
わざわざ外まで出てきて、
『グリーノックじゃなくて、グーロックの駅にいくんでしょ〜?そしたら道の反対側よ〜!』
とニコニコ顔で教えにきてくれた。
なんとまあ、親切な人たちなんだ、この街の人たちは。

またグラスゴーポイントアップ。

いや、厳密に言うとここはグーロックなんだけどね。だけど、こんな景色のいい、人々もおだやかで親切な
おまけに”アイ・ニード・ダイレクション”のロケ地(勝手に決定)にものの1時間でこれるんだ。グラスゴーってところは。
オレは田舎が好きだ〜!グラスゴーに住んだら足繁く田舎に通うぞ〜!
のんびり海辺でボケー。なんて。なんてなんて幸せなひとときなの〜!!さっそく妄想入った。

グーロックの駅までは、バスだとあっというまだった。ホントに狭い狭い街である。
街中知り合いなんじゃないかというくらい狭いところだ。だけど家々はなぜかみな豪華。
みなして老後を過ごしにくるのか?別荘か?その割には子供たちもたくさんいるが。

コンパクトにまとまりすぎのグーロック駅前

駅についてお腹が空いたので、
『もしや海辺だけにフィッシュ&チップスとかが美味しいのでは?』
という単純な思考回路で食ってみることにした。いや、ていうかチップスは関係ないんじゃ…?
イートインできるような所はなかったし、雨も降っていて寒いしで、テイクアウェイしてグラスゴーへ向かう電車の中で食うことに決定。
とりあえず駅周辺のフィッシュ&チップス屋に入る。

お。あるぞ〜やっぱりハギス。ブラックプディングともいうのかな?
とにかくスコットランド名物、なんかの内臓?でできた黒い固まりハギスの揚げ物。
フィッシュを食おうかな〜と思っていたけど、そっちに心がゆれるオレ。
『ハギスください〜』
と試しに言ってみるが、みせのおばちゃん&おじちゃんら、みなして曇り顔。
1人のおばちゃんなぞ、露骨にイヤな顔をして、
『やめときなさい〜美味しくないから!他のにしたほうがいいわよ〜』

どうやらみんな、親切でゆっているようである。顔が笑っている。
ってキミらそれでええんか〜!商売なっとらんやんけ!
結局、ハギスは、おばちゃんの強い”まずいからやめなさい”という説得により買わせてもらえず。
オレはフィッシュ&チップスウィズカレーを頼んだ。
店に3人並んだおばちゃん&おじちゃんは、ニコニコと会計をしてくれた。
ほんま、エエ人たちや〜

っていうか安くないか?3£いくらか?
こんなもんだっけか、フィッシュ&チップスって。

そのまま帰りの電車に乗り、買ったフィッシュ&チップスを開けると…

『で、でか〜!!』

フィッシュが1こと半分入っていた。おまけなの?
ていうかこんなにくえないてば〜!

おおよそ、まちで買うフィッシュは、衣ばっかりで中身がしょぼい。
だけど気のせいか海辺の街グーロックで買ったフィッシュは、中身の白身魚が大きく、食べがいのあるものだった。
う〜ん、なんとなく、こんな美味しいフィッシュ&チップス久々に食べた感じ。
気のせいって重要。おまけに車窓もキレイだしな。

さて。帰ったら大仕事が待っている。
残すもう一つのビッグイベント、ティーンエイジのライブは今夜だ。
ダフ屋なんているのかな…チケット買えるのかな…みれるのかな…
グラスゴーに着いても、外はまだ雨。
こんな天気で、みれなかったら相当セツナイてば…
みれなかったら、コズミック・ラフ・ライダーズでも見に行こうね、なんて早くもお互いを慰める2人であった。

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